「じゃあ、あの痣何か言えんのかよ」
それを言うとナツメは黙り込んだ。
なんだよ…言えねぇのかよ。
俺じゃなきゃダメとかそんなの嘘だろ。
「涼太にそばにいてもらえよ」
こんなこと言いたくなかった。
本当はアザのこともここまで引っ張る気は無かったのに。
涼太と二人で会ってたのかって思ったら許せなかった。
「ひどいっ…ひどいよ、葵くん…もう、いい…もう、いいよ」
ナツメの目はもう俺らをうつしてなかった。
生気が感じられなかった。
それなのに、俺はナツメを追いかけなかった。
涼太も何も言わずにナツメの後ろ姿をただぼーっと見ていた。
その夜…
寝ようとベッドに横になったときだった。
ブーブー
携帯な鳴った。
涼太からの電話だった。
「んだよ」
『葵っ!大変だ!ナツメがー…』
その後の俺はただ必死だった。
寝巻きのまま夜道をただひたすら走った。
涼太の言葉が頭の中を駆け巡る。
『ナツメが車にひかれた!』
もしものことがあったら…
そう思うとどうしようもない罪悪感が俺を襲った。

