ていうか、こんな喫茶店でナンパしてくるやつなんているんだ…
「考え事?俺、聞くよ」
…めんどくさい。
私はため息をつきそうなのを堪えて席を立った。
ここにいたら終わらない。
出よう。
店を出て帰ろうとしたけど、男が追いかけてきた。
「ちょっと、ちょっと。待って」
その声を無視して歩き続ける。
もう、葵先輩のこと考えてたのに。
最悪。
なんて思ってたら、いきなり腕を掴まれた。
ビクッ…
突然のことでビックリしてしまった。
「待ってって言ってんのに。こっちが優しくしてるからっていい気になんなよ」
さっきまでと雰囲気が変わった男に体が震える。
怖い…
腕を掴む手も痛いし…
「あの…離してください」

