放課後。
友美はバイトだから1人で帰っていた。
でも、家には帰りたくなくて1人で喫茶店に来た。
ここでなら、色々考えられる。
いつものコーヒーを注文して席に座る。
眺めてるだけは、辛いな。
想いだけが大きくなって、葵先輩と話すことも顔を合わせることも出来ないなんて。
「あれ?可愛い」
なんて声がしたけど、顔を上げる気力なんてなかった。
…のだけど。
「あれ?無視?ひどいなー。君のことだよ?東高なんだ?奇遇だなぁ〜俺も東高だったんだ」
なぜか目の前に座ってきたから、思わず顔を上げてしまった。
「あ、やっと顔あげた。うん、やっぱり可愛い」
と、ニコッと笑う男は下心満載って感じで寒気がした。
「あの、私今考え事してるので」
話しかけないでください。
離れてください。
目でそう訴える。

