キーンコーン、カーンコーン
お昼の終わりを知らせるチャイムが鳴り立ち上がる私と友美。
「それじゃあ、また来ます!」
そう言って頭を下げた。
「うん、お昼はいつもここだから。あ、葵は授業しょっちゅうサボってここいるよ」
涼太先輩がウィンクをして情報をくれた。
授業中にきたら二人きりで会えるってことだよね??
「自分の成績わかってる?」
放課後、いつもの喫茶店で友美にビシッと言われた。
「わかってるよ〜…」
分かってるもん。
テストの点数は悪いから、出席とか提出物で稼がなきゃダメってこと。
「でも、葵先輩と二人きりだよ?そんな幸せと比べたら」
成績なんて、と言おうとしたけど友美から黒いオーラを感じたから言えなかった。
「奈央の考えは甘い!成績悪くて留年とかなったらどうするわけ。考えてるの?ちゃんと」
留年…
それは困る。
留年なんて出来ない…
「そうだけど〜…葵先輩も大事」
私が頑張れるのは葵先輩がいるからだもん。

