人をこんなに好きになったのは初めてだったから。 「友達になってください」 「え?」 葵先輩は驚いたように私を見る。 私は空を見上げた。 「私、地道に頑張ります。葵先輩にいつか振り向いてもらえるように頑張ります。だから、まずは友達からお願いします」 慌てる必要はない。 ゆっくりでいいんだ。 いつか私の事好きになってもらえればいいから。 「やっぱり、変な奴」 ふっと笑う葵先輩の顔が今の返事なんだと思った。