ヤンキーな彼にベタ惚れ。




私は逃げないって決めたんだ。
とことんこの気持ちをぶつける。
抑えられないから、この気持ちは。


「葵先輩のとこ行きます」



私はそう言って葵先輩が行った奥の方に歩いた。

葵先輩は地面に座り空を眺めていた。


その顔があまりにも綺麗で、でもどこか悲しげで思わず見惚れてしまった。



よし!
心の中で声を出し、葵先輩の側まで行って座った。




「葵先輩…好きです」




二人きりになると、なんだか気持ちを伝えたくなった。



葵先輩は少しめんどくさそうな表情をしたけど、何も言わずに空を眺めていた。



「どうしようもないんです…。好きがどんどん溢れて苦しいんです。葵先輩に会いたくて毎日泣きそうになるんです。好きになるなよって言われても、いや…お前なんか嫌いだってこっぴどく振られても私は葵先輩のことが大好きなんです」



きっと、面と向かって嫌いって言われても私は諦められない。



振られたも同然の昨日の出来事があったから、私は強くなれた。
新しいスタートだと思う。



「お前って、変なの」



そう言った葵先輩の顔が優しく見えて
私の顔は緩んだ。



「変なんです、私。葵先輩のこと好きで好きで死んじゃいそうです」