ヤンキーな彼にベタ惚れ。




「葵の横、どーぞ」



涼太先輩が私の耳元でそう呟いた。
葵先輩の隣は一人分ぐらいのスペースが空いていた。


「えっ、でも…」



悩んだけど…
さっき決めたばっかじゃん。
気持ちをぶつけたいって。
逃げちゃダメ。ダメだ。



私は小さく頷いて葵先輩の横に座った。


葵先輩は私に見向きもしないでただ食堂で買ったであろうおにぎりを食べていた。


「葵〜そろそろ黒出てきたなぁ」


と、私の隣にいた先輩が葵先輩に言う。

私を挟んで会話なんて…なんかすっごい居づらい。



「あ?あー、次どの色にしよーか迷い中」


私はふと葵先輩の髪の毛を見た。


頭のてっぺんの方が少し黒髪がでていた。


「何でも似合うからなー葵は」



確かに何でも似合いそう。
私の隣に座っている先輩は山下先輩というらしい。
名札が見えた。