私は、ふふっと笑った。
「葵のタキシード姿見たかったな。きっとかっこいいんだろうなぁ」
葵なら何でも似合いそうだもん。
想像しただけで、鼻血が出そうだよ。
「葵がタキシードだってよ、ぜってー女子が騒ぐ」
山下先輩が身震いをする素振りを見せて言う。
うん、確かに。
葵、意外とモテるから。
「奈央は16だから結婚できるけど、葵先輩はまだ17歳だもんね〜後一年待たなきゃ」
友美の言葉に盛り上がってた私の心は
また沈んだ。
そうか、一年待たなきゃいけないね。
「長いなぁ…一年かぁ」
こんなにも一年という年月が
先に感じたことは今まで無かった。
「あっ…ごめん」
友美が申し訳なさそうに謝る。
「謝んないでよ〜。言ったじゃん、私負けないって」
だから、一年生きてやる。
そう、友美に言おうとした。
でも、言えなかった。
私の残りの命が後一ヶ月もつかもわからないなんて。

