ヤンキーな彼にベタ惚れ。



友美は最後崩れるように、
椅子に座った。

私の目からはとめどなく涙が
流れ落ちた。
こんなにも私のことを、
思ってくれてる人がいる。

なんて幸せなんだろう。
私生きててよかった。
この先もずっと生きたい。

生きたいよ、神様。

これが私の最後の願いにするから。
死にたくないです。

「ありがとうっ…ありがとう、友美。みんな…私きっと…生きるよ」




末期の癌だから、何?
私にはこんなにもたくさんの
味方がいるじゃない。
私は一人じゃないから、きっと負けない。



「奈央」




葵が私の目の前にしゃがんだ。
葵は私に目線を合わせる。
その表情は優しくて温かくて。
やっぱり葵は温かいよ。




「俺言ったろ?お前を守ってやるって。あの言葉忘れんなよ?俺は絶対お前を守る。死なせねーよ。だって、初めてこんなに好きになった女なんだよ。手放すわけねーだろ」



笑って言ってくれたその言葉は
私にとって何よりの魔法の言葉のように感じた。




「葵のことも守るって私言ったよね。あの言葉忘れないでね。葵のことは絶対守るから。大好きだよ、葵」



私は葵の首に腕を巻きつけた。

本当に幸せだよ、私。
多分この病気になって初めて気づいた事たくさんある気がする。



人の温かさもそうだし、
自分の強さもそう。
健康なままだったら知らないで生きてたよ。




なのに。
どうして、こうも神様は残酷なんだろう。


こんなに幸せな時間を
一瞬で崩すんだから。






「ううっ…あ、おい」





突然襲ってきた頭痛と吐き気。
呼吸がしにくい。
こんなことは初めてだ。
こんなに苦しいのは初めて。



「あっああ…う……ぁ…」




苦しむ私の姿に慌てるみんな。
葵は焦ったように私を抱きしめながら
病院に連絡してくれた。




「ごめっ…ごめ、ん…」



私はそう言って意識を手放した。