「葵も、いてね?」
葵がいれば強くいられるから。
葵は「おう」と言って、
教室に入った。
私の姿を見て、みんなどんな反応を
するのか気になっていたけど、
特別なリアクションはなかった。
だから、私はすんなり話し始めることができた。
「みんな、久しぶり。私は見ての通り歩くことが出来ません。前みたいにわいわい騒ぐ事ももう出来ない体になりました」
私はみんなの顔を見渡した。
みんな真面目な顔で私を見ていた。
すごく綺麗な顔をしていた。
「病院にいる時は点滴をしたり薬があったり先生がいて安心だけど、こうして外に出るといつまた倒れるかも分からない体です。私はこの病気が分かった時治療は拒否しました」
あの時の決断は
今でも間違っていないって思ってる。
「治療をしたとしても完治はしない、進行を遅らせるための治療だって言われても…私は、私には今しかできない事がたくさんあると思ったからです。高校生活は一度切りだって。でも…結局全部やり遂げる前に体は限界を迎えました。何度も倒れてその度に周りに迷惑かけて、ちょっとしゃがみ込むだけで周りは騒いで、きっと私はそんな小さな事で命を落としていくんだろうって思うと苦しくて怖くなるんです」
私は逃げない、負けないって
強がったって死は怖い。
私は死と隣り合わせなんだって
思うと怖くてたまらない。

