ヤンキーな彼にベタ惚れ。




ガラッ…


今日もいつもの時間に病室のドアがあいた。

「葵〜おつかれさまー!」


葵だって分かってるから
入り口を見ないで声をかける。


「おう」



そんな素っ気ない返事も
私は大好き。

短い言葉でも、
私を安心させてくれるから。



「葵しか見えてないなんてひどいなー」



ん?



葵とは違う別の声がして
ハッと入り口の方を見ると



「えっ、山下先輩と涼太先輩!」



予想もしてなかった二人もいて
今日一番びっくりした。




「久しぶり」



涼太先輩が右手を上げて
笑顔で言ってくれた。



「はい、久しぶりです」



会えて嬉しいな。
すっごく久しぶりだもん。


「奈央ちゃんの笑顔はいつ見ても眩しいぜ〜」


と、山下先輩が両頬を両手で包み込みながら言う。

山下先輩は相変わらずだなぁ…。




「葵ってひどいんだぜ?俺の弁当勝手に食うんだよ、な?卵焼きが甘いからーって」



迷惑そうに、でも楽しそうに話す山下先輩。

そんな山下先輩を見て、おかしそうに笑う葵。

仲良いなぁ。




「えー?そうなんですか?葵、甘党だもんねー」


見た目によらずってこういうことだよね。



「本当ひでーよ。俺も卵焼き好きなのに」



それでも、あげるんだよね山下先輩は。



「私が作って、あげられたらなぁ…」


そう笑って言う私。

でも、最近手が痺れてきてうまく動かせないんだよね。


「…お前のはちょっと甘すぎなんだよ」


葵がそんなこと言うから、
私は葵を睨んでベロを出した。

ふーんだ。
どうせ料理は得意じゃないもん。