だけど、そこにいたのは
北条先生ではなかった。
その人物を見て、
私は驚きを隠せなかった。
「ど、して…」
どうして、いるの…?
友美を見ても、友美も驚いた様子で。
着崩した制服と、少し乱れた赤茶の髪。
少し息を切らした彼がそこにいた。
「葵…」
ずっと、会いたくて
…会いたくなかった人。
「…奈央ちゃん、ごめんね」
と、葵の後ろから来たのは北条先生。
"ごめんね"?
「私も医者である前に一人の人間で、この子の姉だから。見てられなかった、奈央ちゃんだって本当は会いたかったでしょう?」
北条先生が…教えたんだ。
しばらく無言が続いた後
北条先生と友美は病室から出て行った。

