「わかった。奈央のこと信じる」
友美はそう言って涙を拭った。
良かった、友美が親友で。
友美、大好き。
それからは何もなかったように
他愛ない話で盛り上がったり
ゲームをしたりして楽しんだ。
そして、次の日。
今日は受診の日。
実は二週間に一回は病院に来るように言われていた。
今日は一人。
お母さんはパートでいないから。
「奈央ちゃん、体調はどう?」
北条先生に聞かれて、私は苦笑いで
首を傾げた。
「あまり、良くないです…」
正直余命は一ヶ月なんじゃないか、とさえ思った。
それくらい苦しかった。
「そう…本当だったら入院してもらいたいところだけど、しないんでしょ?」
北条先生が意地悪っぽく笑った。
「まぁ…はい」
大事なものを失ったけど、
それでもまだ入院はしたくない。
「でも、痛みはどんどん強くなってくるから、痛み止めの薬、出しとくね。それと、後一週間もすれば学校だけど体育の授業とかは出来るだけ出ないように」
「はーい」
言われなくても、
どうせそうだろうと思ってた。
「ね、先生。私大好きな人とお別れしました」
「え?」
私は泣きそうになるのを堪えて
話す。
「本当は今も大好きだけど、
病気の私が好きだからずっと一緒にいてって言えばきっといてくれたかもしれない。でも、そうやって縛り付けたくなくて、残された彼は私よりも苦しむんだろうって思ったら…やっぱり一緒にはいられなかった」
心の中では何度も一緒にいたいって
願ってたのに。
「奈央ちゃん。私には弟がいる。その弟はね?見た目はチャラいんだけど、中身はそうでもなくて、実は繊細だったり照れ屋なとこがあったりして可愛い弟なの」
北条先生は、嬉しそうに
話し始めた。
「何より弟はすっっごく分かりやすい。何かあれば顔にも出るし態度にも出る。今だってそう。何もしてないのにイライラして家族にも当たるし物にも当たるし。だけど、そうかと思ったらさみしそうな目をするの。まるで大事な人を探してるような。ある日聞いたのよ。好きな人がいるの?って」
ドキッ…
好きな人…。
葵はもう私のことなんて…
きっと嫌われたから。

