『変な奴』
笑ってそう言ってくれることも、
『俺が守ってやる』
そう言って私がをドキドキさせてくれることも。
『奈央』
って甘い声で私の名前を呼ぶことも
もう、ない。
あの笑顔が私に向けられることは、もうないんだ。
『好き』って、
もう、言えないんだね。
でも、好きなんだよ。
好きで好きでもうつらい。
ごめんなさい。
ごめんなさい、葵。
心の中でだけはまだ好きでいさせて。
葵の姿が見えなくなっても、
しばらく、その場から動けなかった。
「葵ぃ…好き、なの」
嘘ついてごめん。
私は涙が止まらないまま
家に帰った。
もちろん家にいたお母さんは
そんな私を見て慌てていた。
「どうしたの、どっか痛い?病院行く?」
痛いよ、痛いよ…お母さん。
心がすごく痛いの…
「ふぅぅ〜…お、かぁさん…ふぇ…」
私はお母さんに抱きついた。
お母さんはそんの私を優しく抱きしめてくれて。
「私っ…葵のこと、好きなの…好きだからっ…お別れ、してきた」
こんなにも好きなのに、
別れるなんてバカだよね。

