「ああああ、ごめんなさい!変なこと言って…わ、私帰ります!」
私はそう言って走った。
恥ずかしくて鼻血出るって…
初対面の女にあんなこと言われたって嬉しくないよね…
いや、ドン引きだよね…
失態だよ…
なんて、思う反面。
やっぱり嬉しい。
葵先輩とあんな形でだけど関われて。
葵先輩の人生に私が登場出来て。
それだけで…
「幸せ」
次の日、私は友美の前でにやける顔を抑えながら呟いた。
友美に昨日のことを1から話した。
「だってよ、中川」
友美は私に会いに来ていた中川に笑いを堪えた顔でそう言った。
「あ、中川…いたんだ」
私の言葉に中川は何も言わずに教室を出て行った。
「あは、ははは。もー奈央最高」
友美は中川が出て行った途端笑い出した。
「奈央、それ天然?中川泣きそうだったよ」
そんなこと言われても…
何もわかんない。

