その映画は本当にキュンキュンしたし、すっごく泣けた。
主人公は大好きな彼と10年の片思いを経て両想いになったけど、付き合って一年、彼が交通事故で亡くなってしまったんだ。
もう、悲しくてたまらなかった。
映画が終わると、周りの子もほとんどが泣いていた。
葵はいつもと変わらず普通。
まぁ、男の人ってそんなもんだよね。
映画館を出て、私の顔を見た葵が
少し笑った。
「すっげー顔。トイレ行って化粧直してこいよ」
と、トイレを指差す葵。
えーそんなすごいことなってる?
私は慌ててトイレに駆け込んで鏡を見た。
うわぁー、本当だ。
涙で少し崩れたんだ。
急いで直して、トイレを出る。
「あ」
葵は女の子三人に話しかけられてて、
うざそうにしている。
そんな葵の態度に気付いてないのか、
女の子達は頬を赤らめながら続ける。
「ねーぇ、ウチらと遊ぼうよ!」
「お兄さんカッコイイし」
「彼女とかいるの?」
そのお姉さん方は、私たちよりも明らかに年上なんだけど。
もう、セクシー。
胸元なんかあきすぎだし、足も見せすぎだし。
怖い…。

