私を助けてくれたのは、葵先輩だった。 ま、まさかこんな形で顔を合わせるなんて… 「あ、葵先輩…」 声が震える。 怖いんじゃない、嬉しい。 涙が出そうなくらい嬉しい。 「俺の事知ってんの?」 葵先輩は少し目を丸くする。 葵先輩のこと知らない子の方が少ないと思うけどな… 「はい…あ、ありがとうございます!助かりました…」 目の前にいる葵先輩が助けてくれたことが何より嬉しくて。 胸の高鳴りはおさまりそうもなくて。 なぜか、涙が出てきた。