「人の女に声かけるとかいい度胸してんな?」
私の手を握るのは葵先輩だった。
"人の女"というフレーズに思わずにやけてしまった。
それは、彼女ということだもんねっ!
「なんだよ、彼氏持ちかよ」
ぶつぶつ言いながら去って行く二人組。
葵先輩はそれを見届けると私の手を握ったまま歩き出した。
「葵せーんぱい♪」
私は嬉しくて葵先輩の名前を呼んだ。
「んだよ」
ぶっきらぼうな返事だけど、
何と無く温かみを感じられた。
「好きです」
こんな嬉しいときはどうしても
気持ちを伝えたくなるんだよ。
「…飯、食うか」
葵先輩はそう言って、ちょうど目の前にあったハンバーグ屋に入った。
「うわー美味しい!美味しいです、葵先輩!」
それはそれは美味しくて。
こんなに美味しいハンバーグ初めて!
「太るぞ」
と、ニヤッとして言ってくる。
「どうせデブですよーだ」
食べることは大好き。
だからデブって言われても仕方ない。
「デブとは言ってねーよ」
ため息混じりに言ってくるから、
ふふっと笑った。
「葵先輩は食べても太らないですよね?お腹ペタンコだし」
とは言っても、筋肉はついてるんだけどね。
「そうか?まぁ、奈央よりは細いだろ」
そんなことないもん!
いくらなんでもそれは…あるかも?
……って!!!!
それより!今…
「な、奈央って…」
葵先輩が奈央って呼んだぁぁぁ!!!

