そして、なぜか私の肩には男とは別の腕がまわされていて。 人の体温を近くに感じて胸が高鳴る。 な、何…?! 「あのさ、人の女に何やってんだよ」 頭上から聞こえた声に更に胸が高鳴る。 だ、だって… この声を私は知ってる。 直接話したことはない。 でも、友達と話してる時に聞いた先輩の声を私はちゃんと覚えてる… 「ほ、北条…」 男の顔は青ざめていって、私から離れて逃げるように走って行った。 男が見えなくなると同時に私から離れた葵先輩。