*** 「ごめんね小夏!ちょっと裕也のとこ行って来る!」 学校が終わってさぁ帰ろう、としていた時に、華が教室の扉から顔を出して言った。 いつも私は華と駅まで一緒に帰っている。 だけど、華は彼氏の裕也くんの所に用があるみたい。 私は頷いて、自分の席で待つことにした。 教室には人が何人かいるけれど、みんな部活や下校のためにどんどん教室をでていく。 しばらくすると、教室にいるのは私を含めて五人くらいしかいなくなってしまった。 「(華、まだかなぁ…)」