「そう言うあんた達はどの位だったの?」




「えっ、いや…!私…!?」



さっきまでさんざん私に言ったくせに、
自分の話になると赤くなるとか意味わかんない。




「………2ヶ月の後半…?」




小夏は慌てて付け加える。



「ち、違うよ…!日向くんが……その、…強引で、…別に私は…」




「どっちにしろあたしより速いじゃん!!!」




って、


あぁ、もうヤダ。


あたしこんなキャラじゃないのに…




…ていうか、




「自分で言っておいて何赤くなってんのよ」



小夏は苦笑いしながら空を仰ぐ。


顔が真っ赤だ。



「いや、あはははは…。恥ずかしいなって」



まあ、男子が聞けないくらい
ものすごいガールズトークよね。


あたしは手のひらで顔を覆った。



高崎のくせに。



もっと、そーゆーことしたって

あたしは全然いや、じゃ…ないのに。




なんであたしがこんな事で悩まなくちゃいけないの…



「華からしたらいいじゃん」



は…、


あたしから?






いやいやいや、



「嫌よ、そんなの」



そんなの、できないに決まってるじゃない。



「…なんで、あたしが…」



「華って本当ツンデレっていうか、マンガのキャラクターみたい」



しみじみと小夏にそう言われて、あたしは思わず身を乗り出した。



「はァ!?ツンデレとかやめてくれる!?」




あたしの剣幕に圧倒されたのか、またさっきのように平謝りする小夏。



あたしのどこがツンデレなのよ…




「………時間も時間だし、あたしそろそろ帰るね」




チラリと時計を見れば、もう6時を回っている。



きっともう外は真っ暗だろう。





「あ、ほんとだ!」




小夏はあたしを玄関先まで送ると、両手をこすり合わせながらこう言った。




「言ってみる価値はあると思うけど…」




「何?」




「あ、いや…高崎くんに。言って損はしないと思うよ」




「………………あっそ」