最悪だ…
いくらなんでも今のは酷い。
本当にそうなっちゃうのかと思って、すっごく焦ったのに。
焦って焦って、すごく不安になったのに…
「日向くんの馬鹿、おたんこなす!」
「…悪かったって」
謝ってるけど、何だか楽しそうな日向くん。
私、ものすごく怒ってるんだけど…
涙目で日向くんを睨みつける。
「…………ゴメン」
日向くんの馬鹿。
「……泣くなよ」
「泣いてないもん」
「そんなに嫌だった?」
「はぁ!?当たり前じゃん!!」
嫌だった?…って、
「好きな人と遠くなるなんて嫌に決まってんじゃん!」
いくら日向くんがお母さんたちと仲直りして、
そうなることがしかたなかったとしても
嫌だよ。
わがままかもしれないけど、
嫌だよ…
「そんなの…私耐えられないよ…」
って、
しまった。
私、勢い余って凄いこと言ってる…!?
「あっ、…えと…い、今のは…」
言葉が続かない。
どうしよう、
とてつもなく恥ずかしい。
「すげー告白されてんのな、俺」
日向くんはそう言って小さく笑う。
「や……その…、えっと」
穏やかに笑う日向くんが、ぐいっと私を引き寄せた。
日向くんが、
「心配しなくても、居なくなったりしねえよ」
私の目を見てそう言うの。
う。
こんな笑い方、ズルいよ。
こうやって、これからもずっと
私はこの笑顔にあっけなく負けてしまうのだ。
「引っ越しなんかしたら…__っと」
「ひゃ___ 」
ドサリとポカポカした床に押し倒された。
私を見下ろす日向くんがニヒルに笑う。
「お前とこんなことできなくなんじゃん?」
「ちょ、日向く…!?」
防ぐ暇もなく、首筋にキスを落とされてしまった。
「今度は止めたりしねーからな」
へ!?
ちょっと待っ_____
「〜〜〜〜〜〜っ!」