「……お前らっていつ付き合ったんだ?」




俺は話題を変える。



「つい最近だよ〜。…二週間?あ、三週間前くらいかな」




「へー、よく白石OKしてくれたな」




「本当だよ。俺からしたら奇跡に近いよ、この状況」



あれ。
思ったよりも素直な反応。



「ま、俺が弱ってるところに漬け込んだってのもあるんだけど」



高崎は俺のペンケースの中の物を弄り始めた。



「弱ってる?」



「うん。前カレと別れたばっかだったから」



「ふーん。お前にしてはよくやるな」



「ははっ、ひでーなその言い方」



ケラケラと、乾いた笑い声に耳を傾ける。



こいつが、こうやって目の前に座っていることが当たり前になっているこの頃。



ふと気づけば、いつも高崎が隣にいて

その周りに白石や、小夏がいて


最近ではずっと誰かと一緒にいる。



不思議な感覚だ。



こんなことになるなんて、転入したばっかりの俺は、予想もしなかっただろうな。



いまだに、クラスの人気者だったこいつが、すべてを放り投げて俺についてくる意味はまだわからないけれど、
唯一、ずっと一緒にいても良いって思えた。



もちろん
小夏は高崎の100倍以上そう思うけど。





「ま、頑張れよ」





ボソリとそう呟くと、俺は音楽プレーヤーのスイッチを入れた。




「えっ、ええぇ!珍しー、どうしたんだよ」




言うと思った。





予想してたそのウザそうな反応をした高崎に対して、俺は聞こえないふりをした