日に日に短くなっていくお昼の時間。




もう自分のクラスに戻っちゃうんだ。




付き合ったばっかりの時は、そのまま五限をサボっちゃうくらい、ずっと一緒に居たのに。



ずっと側に居たかったのに。




時間はそれを許してはくれなかった。





あたしのすべてが打ち砕かれてしまう時は、いつなんだろうか。



明日か、

いや、今日かもしれない。



毎日こんな不安ばっかり背負っていくのはもうウンザリだ。



こんなの、あたしには重過ぎる。



前はあたしの隣を歩いてくれたのに、
今はあたしの方なんてひとつも見ずに、前を歩くの。



裕也の明るい髪が、太陽の光に透かされてキラキラ光る。







変わってしまった、

何もかも。




誰もいない体育館の入り口で、裕也はピタリと止まった。




「……なに?」




あたしの声に、裕也は振り向くと、身体を身体を屈めた。




一瞬で、裕也の顔がすぐそこに来る。



やだ、

そんな、行為だけのカレカノなんて、嫌だ。


さっきまで、他の女とベタベタしてた身体で、あたしに触れないで。



そう、

思うのに。



やめて、と言ってそれを拒めばいいのに、

それができないあたしは、
もっと醜い。



裕也はあたしにキスをした後、またゆっくりと歩き出した。




こんなキス、する意味なんてない。