急に日向くんの手が伸びてきたと思うと、気付けば私も日向くんの隣に、寝転んでいた。



「ちょ、待って!私はいい!座るっ!」



「なんだよ、つまんねぇ」




急いで起き上がって、座る私を見た日向くんは顔をしかめる。


だって、


隣に一緒に寝るとか…
恋愛未経験の私にはレベルが高すぎるよ!!



保健室の時からと言うものの、日向くんは凄く強引だ。



一見クールにも見えるけど、

私から近づけば照れるくせに、
自分はどんな恥ずかしいことだって、サラリとやってみせる。




「コンタクト、つけたままなんだね」




今日も日向くんの瞳の色は、黒色。




「あぁ。お前は知ってるからいいけど、他の奴らは知らないから」




「…そっか」



華とかが知ったりしたら、ある意味めんどくさそうだって、私にも分かる。



だけど、やっぱり黒い瞳の日向くんより、元々の日向くんの方が好きだな。




日向くんの他のどんなところが変わってても、あの瞳だけは変わらない。




「(あー…幸せだなあー)」




風邪が私と日向くんの髪を揺らす。



こういうのを幸せっていうのかな。



華が私に「今すごい幸せ!」って、よくノロケてきたことがあったけど、
今ならその気持ちが分かる気がする。




隣に私なんかかわいてもいいのかなって思うくらいに、私にはもったいない。




だけど、やっぱり

日向くんじゃなきゃダメ。




わたし、今日のこと
一生忘れない。



日向くんと始めてあった時と、同じくらい大切に思う。





今日は、すごくすごく大切な日。