フゥ、と息を吐いた日向くんは、早足でまた私に近づいてくる。



私は動きを止めたまま、彼を見つめて。



下から見る日向くんは、いつもより背が大きく見えた。




ポカンとした私の前に来た日向くんは、長い手を私の頭の上に置く。






チュ






と、

私のおでこに暖かいモノが触れた。




一瞬すぎて、何が何だかわからない私。




「じゃあな」



二回目のそれを言うと、日向くんはまたドアまで歩いて静かに保健室を出て行ってしまった。




「(で、……でこチュー…)」




私の頭がそれを理解すると、爆弾が連鎖反応を起こして、爆発する様に、私の頬が熱くなった。




「〜〜〜〜〜〜〜ッ!」





両手で、その熱い頬を抑えた私は、そのまま保健室のベットに突っ伏した。



声にならない声が、布団を通して篭った音になり、保健室に響く。




近かった…



すごいすごいすっごい近くて…




気づいた時には・・・・



「ムリ…!!」



顔を真っ赤にした私はバフンと、布団に潜り込むとバクバクとなる心臓の音をBGMに、ゆっくりと眠りに着いた。