「なんで泣くんだよ…」



耳元に聞こえる立花の泣く声。



鼻水制服に着けたら怒るからな…




「だって………うぇっ…ぐす……、そんな、急に…うわぁぁん」


「あー…悪い。……嫌か?」


立花は俺の中でフルフルと首を横に振った。


ぎゅうっと制服を握りしめられてるのが分かる。



「(…なんだこの超展開……)」



落ち着いて考えるととんでもないことしてるな、俺。





…ま、いっか。



今更考えても、もう遅いわけだし…


考えるより先に、身体が動いてたし…。



しばらくの間、泣いている立花を落ち着かせた。

立花はその間ずっとぐすぐすと、鼻をすすっている。




「ふふ………ふふふふっ」




今度はなんだいきなり。



いつのまにか、立花は泣き止んで居て、
今度は笑い出した。



「気持ち悪いな。なんだよ急に...」



立花は俺の言葉にまた、ふふっと笑う。
泣いたり笑ったり、忙しいな。



「そっかぁ…私、あの時からずっと日向君が好きだったんだぁ…」




突然言われた言葉に、思わず身体を離してしまいそうになった。


耳まで熱くなるのが分かる。



「(なんで俺より先に言うんだよ…)」



ゆっくりと身体を離すと、俺は立花に向かい合った。