男友達。-友達以上恋人未満-

線香花火ははじめ、小さな火花をちらして、だんだん光が大きくなっていった。

「大樹うまいじゃん。なかなかなんじゃない?」

「瑞穂何様だよー!」

そんな会話をしていたらシュッと線香花火の光が落ちた。

「「あ、」」

どうやら同時に落ちたみたいで顔を見合わせて笑った。


「あのさ、瑞穂」

「ん?」

なんだろうか。あらたまって。

「今週の土曜、サッカーの試合があるんだ。そこで負けたら部活引退なんだよ」

大樹は切なそうに言った。
私は勉強に集中したくてずっと帰宅部だったけど、大樹はサッカー部だもんね。
きっと思い出とかいっぱいあるんだろうな

「その試合…瑞穂に来てほしいんだけど…」

大樹の…最後かもしれない試合。
すごくみたい。
何度か試合は見たことあるけどやっぱりサッカーしてる大樹は違って…

「いいよ!行く。絶対に行く」

「ほんとかっ!ありがと…もし、勝てたら…さ」

大樹は照れくさそうにほっぺをさすり、

「俺の願い事…叶えてよ」

「いいよ。叶えてあげる!おごるとかなしだよ!」

大樹の願い事。
なんだろうか。
私は今週の土曜が楽しみになった。