男友達。-友達以上恋人未満-

私は大樹の方へ行く。

ラッキーなことに大樹は一人だった。


珍しいな…
そんなことを思って大樹に声をかける。

心臓がうるさい。


「た、大樹…」

「あっ、やぁっときた!瑞穂のことずっと待ってたよ」

え?

「どういうこと?」

「お前以外のやつから一緒に入ろうって言われたけど…全部断ったの!言わせんなバカ!!」

えぇ!
あ、だから一人だったんだね…

「あ、あのっ、大樹っ…ありがと…」

今きっと顔真っ赤だよ…

「あぁっ!はずい!早く入るぞ!」


そう言って大樹は私の手を握り


「次俺ら入るから!」


とクラス委員に言って

ずっと…
前の二人が戻ってきても
ずっと…
私の手を離さなかった。