「ねぇねぇ、瑞穂っ」

華がヒソヒソ話をしてくる。

「ん?」

「來美ちゃんって…大樹くんのこと好きなの?あんなになんか親しげにしちゃって…」

あぁ、今気づくのも仕方ないか。
基本、学校ではあの二人…喋ってなかったし。

「多分…好きだと思う」

來美ちゃんから好きって聞いたってことは伏せておこう。

「そっかぁ…。でもね、瑞穂。諦めたらダメだよ?」

華はとても真面目かつ優し気な顔で

「最後に勝つのは主人公。なんだよ?」


最後に勝つのは主人公…
私は…主人公になれるのかな。


「がんばって!瑞穂のこと応援してるからねっ!」


「うん!ありがとう。あ、華の話も聞かせてねっ」


というと華は顔を赤くして

「うっ、うんっ!」

と答えた。

さっきのはしゃぎっぷりはどこへいったんだ…