「ちょっと二人ともどうしたの...」

「いちゃつくなよお前らー!」



そういえば、みんなの前だってことすっかり忘れてた...!



「すまん!すっかり忘れてたわー!」



大樹は照れくさそうに首の後ろを触った。

照れた時の大樹の癖だ。



「あ、じゃあこの機会なんで言います!」



そう言って大樹は私の体を引き寄せた。



「え、ちょっ...大樹...!」


大樹はへへっと私に笑った。
周りも驚いている。



「えっと...笠原瑞穂は俺の女です。
絶対に傷つけません
傷つけようとしたやつには容赦ないです。
それだけは覚えておいてください。」



今までで一番真面目な顔だった。


すごくかっこよくてその顔を見ていたいのに視界が曇る。

そして、頬を暖かいものが伝った。


「瑞穂...泣くな...?」


「大樹...ありがとう...。」



大樹は私の涙を拭って笑った。


こんなに幸せでいいのだろうか。



「んもー、二人とも熱いねー!」


「これからも幸せにな!」





秋の風が


ふわりと通った。



少し肌寒いけど...




心地が良い。




それはまるで私と大樹のようだった。





これからどんな道を歩こうと私は大樹についていく。