私は無我夢中で走った。

気づいたら家の近くの公園にいた。
大樹が追ってくるのを待った。

でも大樹はこなかった。


きっと愛想つかしたんだ。


「大樹ぃ...うぅ...うっ...」

涙が出てきた。
もうすぐ秋が来る。
少し寒かった。


「あんた...なにしてんの」

凛とした声。

「來美ちゃん...?」