打ち上げをやる焼肉店に着いた。

「あれ、瑞穂ちゃんじゃん!」

どこかで聞いた声がした。

「あ、翔くん!」

メイド執事喫茶のお客さんだった翔くんだ。

「翔...」

大樹のいつもより少し低い声がした。

「あ、大樹。久しぶりだな」

なんだかすごく重苦しい雰囲気が漂う。
この二人。
何があったんだろうか。

でも今は空気を変えよう。
重すぎる...

「翔くんなんでここに?」

すると翔くんは笑顔で

「あぁ、打ち上げだよ!瑞穂ちゃんのクラスもここでやるの?」

「うん!そうだよ!」

翔くん。
普通に見えるんだけどな...。
何があったのかな。
私に話せないことなのかな。「瑞穂。先に中入るぞ。」

大樹に手首を掴まれる。

「え、ちょ、大樹っ!翔くん。またね...」

「あぁ、うん」

翔くんは笑っていた。
ただ笑って私たちが中に入るのを見ていた。