30分くらいまって、俺と瑞穂はお化け屋敷の中に入った。

「結構本格的なんだな...」

中は本当に真っ暗でよくできている。
たよりになるのは懐中電灯だけ。

「た、た、大樹...」

瑞穂は俺の裾をつかむ。
瑞穂の顔は見れないけどなんだか俺はきゅんとしてしまった。

「ゔぁぁぁ...」

いきなり気味の悪い声がする。

「きゃぁぁ!!!!」

瑞穂が叫びながら俺に抱きついた。
付き合う前はこんなことしなかったのに...。
俺も頼りにされてきたってことかな。

「大丈夫か瑞穂?」

「へ...?あっ!ごめん大樹...!お、思わず...」

瑞穂の照れたような声が聞こえる。
だいぶ目がなれてきて瑞穂の表情が見えるようになっていた。
目を伏せているのがわかる。

「いいよ。あ、瑞穂手つなごっか」

「い、今その...手汗が...」

そういうの気にするタイプなのか。

「いいって、ほら」

俺は無理やり瑞穂の手を握った。

「うんっ...」

瑞穂は微笑んだように見えた。