「そういうのって...あぁ、キス、ね」

にやっと怪しい顔をする大樹。
こういう顔にもキュンとしてしまう自分が憎い。

「言うなそんなき、キスとかそう言うこと!」

「そんなの。瑞穂が初めてに決まってんじゃん。俺だって余裕ないよ」

ひと呼吸おいて

「今だって心臓やばいんだぞ?でも男としてそれは余裕持つべきだとおもって...」

そう言っていつもの笑顔を見せる。
いじわるになったり、素直になったり...
あぁ、大樹が欲しい。

「大樹...」

私は大樹の首の後ろに腕を回して思いっきり背伸びをする。
今度は私が大樹の余裕をなくさせるんだ。

「瑞穂のばか...お前の方が手馴れてるじゃねえかよ...」

すねた顔の大樹。

「手馴れてるわけ無いじゃん...大樹が初めてだよ」

大樹はたくさん私に初めてを与えてくれるんだ。
今もきっとこれからも。