つぎの日。


珍しく私達は待ち合わせで行くことになった。
いつも大樹が迎えに来てくれるんだけどたまには...ね

待ち合わせ場所に行くともう大樹はいた。
まだ時間の5分前なのに。

「大樹ごめんっ!待った?」

私はカップルのお決まりのセリフで大樹に駆け寄った。

「え!?あ、ううん!今来たところ!」

いきなりの私の登場にあたふた。
そして照れたように首の後ろを触った。

「瑞穂...今日なんか雰囲気違うね」

なっ...
そういうの気づくタイプなの...

「そうかな...」

体温が上昇する。
このままだと倒れそう...

「すごい...その...かわいい」

大樹の顔も赤くて、そんな甘いセリフを言うものだからやっぱり私も赤くなる。
照れてるなんてバレたくない。

「は、早く行こっ!」

「瑞穂、手」

にこっとして差し出す手。
照れてることなんてきっとお見通し。
バレてる。

「うん」

今日だけ...素直になろう。

差し出された手のひらを私は握った。
このドキドキがばれませんように...