男友達。-友達以上恋人未満-

「あは、ごめんごめん。試合...さ...」

ちゃんと言うべきか...
言わざるべきか...

横目でグラウンドを見る。

切ない瞳で瑞穂を見つめる伊藤大樹。

ごめんな。
今はお前のかもしれねえけど...
ここはゆずれないんだ。

「おれ...勝ったら...さ...。ってやっぱなんもない!じゃっ!」

勝ったら伝えたいことあるから。

そういおうと思った。
でも俺はそこ言葉さえ言えなかった。

頭の中に伊藤大樹の背中を幸せそうに見つめる瑞穂が浮かんだ。
こいつの幸せを願っているなら身を引くべきだろうか。

まだなにも決断できてないのに思いを伝えようとしたのか俺は。

優柔不断な自分を恨んだ。