帰り____


「文化祭のテーマ。どう思った?」

帰り道、私は思い切って大樹に聞いてみた。
正直、私は乗り気ではない。
みんなノリノリだし、いいかなってだけだし。

「え?おれは...瑞穂のメイドがみたい。」

と、めちゃくちゃ真面目な顔して言う大樹。

それどうなの...

「なんじゃそれ。私は着たくないぞメイドなんてー!」

「なんでー?てか、瑞穂は俺の執事見たいって1ミリも思わなかったのかよ」

と、ぶーたれる大樹。


そりゃ、少しは思いましたよ...

「ちょっと...だけね...」

はずかしい...
ばか。

「何瑞穂。かわいい。」

「は!?」

何言ってるのこのばか...!

「手つなご。」


大樹はすっと左手を出す。

そういえば、ずっと車道側歩いてくれてた。
そういうとこ、優しいよね...

「きょっ、今日だけだから...」

一気に体温が高くなるのがわかる。
顔もきっと赤い。

「ふふっ、真っ赤。」

「だまればか。」


テストが終わって、フェスティバルが終わったらすぐに受験。
そして、卒業。

卒業してもこうして手をつないでいられるだろうか。
まだ、将来の話もしていない。


だけど、この幸せがずっと続けばいいなってそう思っていた...