「おじゃまします...」

私は大樹の家に入った。


「あら、瑞穂ちゃん。いらっしゃい!」

大樹のお母さんは朗らかで暖かい人。
私の顔に涙のあとがあることに多分気づいた。
それでも、どうしたの?と聞かず優しい笑顔でゆっくりしていってね。と言ってくれた。

「瑞穂、先部屋行ってて。あったかいお茶、もってくから」

「うん...ありがとう」


私は大樹の部屋への階段を一歩ずつ、一歩ずつ登っていった...