「瑞穂...さ。そんなこと言いながらなんで泣いてんの?」

「へ...?」


頬に暖かい何かがつたう。

「なんで...本心でないこと...言うわけ」

「たいっ...きぃ...」

だめだよ。

「瑞穂。俺に嘘つくなんて100年早いよ」

「たいきぃ...」

だめだよ。
私じゃ...

そんなことを思いながらやっぱり私は大樹のことが大好きで、愛おしくて、誰にも渡したくないって思うの。

「俺の家、今から来れる?俺の話を聞いて。瑞穂の話も聞きたい。な?」

「お母さんに...連絡するっ...」


こんなに無力でごめんねっ...