男友達。-友達以上恋人未満-

瑞穂はおどおどしながら観客席へくる。

今までと違う私に驚いている様子。
そんなことはどうだっていいの。

私はもう偽らない。
いつの間にか偽るのには飽きた。


そう思ったら私は瑞穂に罵倒をあびせていた。

「あんたのせいよ」


やばい、言い過ぎた。

本当はここまで言うつもりではなかった。



「來美ちゃん...それは...どういうこと?」


私は忘れていた。
こいつは無意識に人を惹きつけてしまうこと。
だけどそれは...
大樹と瑞穂の関係の間にヒビを作りかねない。


「大樹がウォーミングアップしてるとき...ほかの男と仲良かったでしょ。
それのせいよ。ばか。」

私は少し優しく言った。
めずらしかった。
私だって驚いてる。

「大樹...それで...?」

そして瑞穂はうつむいて

「...來美ちゃんは、大樹のことわかってるんだね」

そう言った。