南山先生はうんうんと頷いてメモを取っていた。

他人の進路にこんなにちゃんと考えてくれるんだ。

お母さんを見ると優しい笑顔で私を見ていた。


まさか...
お母さんは私が進路について悩んでることを知っていてわざわざ...
私は心に暖かいものが広がっていくのがわかった。

「基本今の瑞穂ちゃんの成績だったらどこを目指してもいいんだよ。だからね、親御さんとかあと僕とかと一緒に瑞穂ちゃんに最適の高校を選びたいと思うんだ。」

「そうよ、瑞穂。一人で考えなくていいのよ」


ちゃんと私の周りには自分の進路の決断を手伝ってくれる人がたくさんいるのだと私は今更気づいた。
何を悩んでいたのだろう。
こんなに周りに恵まれているというのに…


わたしはこの上なく安心したのだった。