初めてだった。
大樹以外に心を読まれた。

「そこのあたりは...どうかな？」

自分で痛いほどわかる。
焦り、不安、この二つがぐしゃぐしゃに混ざっていっていることを...
やりたいことがなにもない私はなにをすればいいとかなにもわからない。

そして、そのことをこの先生に話そうと思った。
なんとなく、南山先生ならちゃんと聞いてくれると思ったから。
こんなにすぐに人に心を開いたのは初めてだった。

「正直、決まってないことについてかなり...焦っています。周りが決まってきているのに自分だけ...って思ってます」

ていうか、自分が今どこの高校に行けるかということですら知らないし...

「なるほど...」