『今日飲み会だから』


お互いの休みの日にそう言って出掛ける平良が信じられなかった。


『なに?嫌なの?』


拗ねるわたしにそう言って苛つく平良が悲しかった。


『だからなんで腕切んだよ』


セックスの後そう言って怒る平良が憎らしかった。


平良を好きで好きで仕方なかったのに、おなじだけ平良を恨んでいるわたしがいた。











「なんでよ…」


家の外にある街灯と月明かりが射し込む仄暗い部屋の真ん中で、通話の切れた携帯を握りしめて呟いた。


瞬きの度に浮かぶ妄想に唇を噛む。

わたしじゃない誰かと笑い合う平良の幻に首を絞められ窒息しそうになる。