わたしにはいつも無愛想なのに、わたしの家族には丁寧な物言いをする彼は、特に父にいたく気に入られていた。
母に至っては視線が乙女だった。
顔も似てるうえに男の趣味も似るのかと思うと、言葉にできない感情が湧いて出た。
『あぁ、よく言われるよ。こよちゃんはお父さん似なんだあ』
『いやおまえの性格はこの家系からは産まれねぇだろ』
『…なにが言いたいの?』
いちいち嫌味を言ってくる彼が、ベッドにダイブするのを見て和む。
こんな時間に彼が自分の部屋にいるなんて、くすぐったかった。
『まあでもこよちゃんはドライだからなー。ほんとに姉妹じゃないかも!』
『四季と暦って時点で姉妹だろ』
『…腹違いかも!』
『………』



