「じゃ」



そう言って立ち去ろうとした男の子のシャツを慌てて掴む。



ま、まだお礼もしてない…!



「…なに」


また眉を寄せると、不機嫌そうに男の子が呟いた。



うっ…そんな顔されても、めげないもん。




「お、お礼しますっ!お名前教えてください!」




うわあっ、なにこれなにこれ。



名前聞いただけなのに、すっごくドキドキするよーー!



「……蓮見 瑞希、だけど」




「…蓮見くん」



うわあ、名前まで綺麗……。