「顔真っ赤だったから、熱あるのかなあって思った」



「う、え、ちげーよ!熱なんかねぇよ、俺はただ実愛を映画に誘おうと思って……!!」



いきなりすごく焦り始めた悠真くんは、早口でそう言った。



「映画?」



「……あっ!」



急いで口を手で塞いだあと、顔を赤くして恥ずかしそうに髪に触れた悠真くん。



「あの……さ、いっしょに映画行かねぇ?」



遠慮がちに尋ねられ、あたしはぱあっと笑顔を浮かべる。