――勝負?
「なんか、俺ならあきを幸せに出来る気がしてき た。 先生もあきを好きなら、俺と勝負しようよ」
ぼやけて、にじんだ視界から顔をあげると、
いつの間にか、ランニングに向かうバスケ部員の 後ろ姿と、
睨みあう凛君と先輩の姿があった。
「好きな子を幸せに出来ない奴が、カッコつける のは、違うと思うよ。先生?」
「ほら、あきちゃんも立ちなさい」 私には、深雪先輩が手を貸してくれた。
「――恋すると、周りが見えなくなっちゃうんだよ ね。私も、
あきちゃんも、……奏も」
そう言うと、泣きそうな顔で先輩は笑った。



