【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―

そろそろ迷惑だって思わないだろうか。

離れていかないだろうか。

昨日のあの発言は、まだ怒っているんだろうか。

「本人も答えてくれないなら、あきが不安になる のも無理ないよな。 あの王子様に、聞いてみますか?」

先輩が指差した方には、ジャージ姿の先生が顔が 体育倉庫の方へ歩いて行くのが見えた。

た、大変だ。

「ん? 何?」

座っていたベンチから立ちあがり、先輩と距離を 取ると、やっぱり奏先輩は不思議そうに首を傾げ た。

「ちょっと。へへ……」

「――ちょっと何?」

「それは、」

ちらっと凛君の方に視線を逸らすと、凛君はバ レー部の片づけを手伝っていた。

やっぱり前回の先輩の怪我を気にしているんだろ う。 私がいるのに気づいてもいない。

――それか気づいていないフリをしているのかもし れない。

「はやく隣、座ったら?」

「――先輩。やっぱ無理です。私、マネージャー、 無理です」

「えー!?」