「あきのクラス、楽しそうだったな。二回も笑いが起きてたじゃん」
「一回は、奏先輩の松葉杖のパフォーマンスですよ」
花音も柊もそれぞれ部活に入部して時間をもてあました私は、何故か深雪先輩に捕まって、マネージャーの手伝いをしていた。
主な活動は、運動禁止の奏先輩の監視だけど。
今日は、グラウンドを走って、チームワーク作りの為に大縄をするらしい。
深雪先輩と一年生が、ベンチにタオルと水筒を並べているのをただ見るだけなのは申し訳ない気がする。
「手伝ってきますね」
「あ」
立ちあがろうとした私は、奏先輩の見る方角に視線を移した。
スーツ姿の凛君が此方に歩いてきている。
「上手く話せたの? 先生と」
「一方的には話したんですが、やっぱ男の人って分かりません」
「あははは。青春じゃん」
ベンチをバンバン叩いて笑う先輩にちょっとだけ殺意が沸く。
でも、憎めない笑顔だから、ちょっと悔しい。
「新道君は何をしてるんですか?」
凛君は、どうやら本当にこっちに向かって来ていたらしく、先輩の前で止まると冷たくそう言った。



